ダリプールオム

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それともう一つだけ。市販の香水の原料一覧にbenzylやらsalicylやらcitral、hydroxycitronellalやらありますが、あれらはIFRAや薬事法か何かの理由で表記しなければならないというだけで、後からわざわざ添加している添加物ではないということを、私自身長らく勘違いしていました。天然のシナモンオイルやクローヴ、ローズを使ったら、cinnamicやeugenolが含まれますから記載しないといけないですし、ベルガモットにしろオレンジにしろ柑橘系を使ったらcitralやlinaloolは必ず含まれますので書かなければなりません。天然香料を使ったら必ず含まれるので、それらの記載から、使用されている天然香料の種類や量を推測することもできます。私自身、添加物と思い込んでいたため情報共有させて頂きます。
ただし、繰り返しになりますが、天然の柑橘類などはルール上極少量しか使えない (bergamotなら0.4%)ため、linaloolやcitralに合成香料から果皮のグリーンなビターさを加えたり、フルーツの甘さを加えたりしてその調香師オリジナルの再現をしているのは、柑橘に限らず、ローズの再現もその他ウッディ香料の再現も、全て同じです。

ちなみにアンバーも存在しませんので、labdanumとpatchouliとvanillinやcoumarin(vanillaやtonka beanの天然香料はかなり高額なので安い香水では合成香料がほとんどでしょう。vanillinとethyl vanillinの微妙な違いなんかも面白いです)、ehyl maltolやmaltolで甘い樹脂感を出したりしています。
現代の香水はとにかく甘い。甘すぎる。そしてそれは、妥協の産物だからです。失敗した香水でもethyl maltolを加えたらフルーツっぽくなって付けられる。また、消費者としても甘い香りはとっつきやすいので、洋菓子のような似たり寄ったりの香水にハイブランドのしるしを貼れば、売れるわけです。悪い香りではありませんが、香料を知るとbaccaraにどんだけ多くのethyl maltolが使われているかとか、kilian社の客寄せの方法とか見えてきますね。

香水は、調香師の魂を意識して、分析したいものです。

専ら香料の考究が続きますが、適当に見てくれたらありがたいです。

カテゴリーコスメ・美容 > 香水 > 香水(男性用)
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